肥料やりについての考え方

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こんばんは。


栽培データベースでは、肥料について詳細を掲載していないので、こちらで紹介させていただきます。

生産者として肥料に対して考えをまとめてみました。
※それぞれの肥料資材の用法用量に必ず従ってください。※


まず肥料を使用する際の大前提として、肥料を吸収できる状態である
根が動き始めてから
芽吹き、葉が展開する生育期に施肥することで良い効果があらわれます。

特に休眠期に速効性のある肥料を与えると、根が吸収できない状態にあるために肥料焼けを起こすリスクがあるため、注意が必要です。

有機肥料やバクテリア分解の緩効性の肥料は、ゆっくり効果が表れ始めたり、気温が上がるにつれ肥料効果が出てくるため、耐寒性落葉樹など、春の芽吹きに備えて真冬にお礼肥(寒肥)として与えると効果的です。

春の芽吹きに合わせて速効性の肥料を与えても同じ効果が期待できます。


施肥量は株の大きさ、根の張り具合により調整し、迷った場合は少なめの量を与えることをお勧めします。



液体肥料は土壌潅水以外にも葉面散布しても効果的です。

肥料や活力剤の葉面散布は人間の点滴のように即効性があり、
植物の元気のない時や、栄養補給したい際に有効です。

しかし、葉面散布は土壌潅水・施肥(根からの吸収)と比較して、最大20分の1のペースと言われており、株にとって優しいですが、ガツンとは効かないです。

※活力剤はほぼ肥料分の含まれていないメネデールやリキダスのようにミネラル補給できる資材のことで分けて表現しています。

近年では、農薬・肥料とは別に本来の植物の能力を引き出し、免疫力や暑さ・寒さなどへの環境への耐性をあげる上げるバイオスティミラント資材の使用も非常にお勧めです。


☆固形肥料について

粒状になっている肥料で、主に株元に定期的に施肥する”追肥”と鉢底や用土全体に混ぜ込む”元肥”としての2通りの使い方があります。

Ⓐ化成肥料 ※それぞれの肥料資材の用法用量に必ず従ってください。※

主に①速効性があり、ガツンと強く効き肥効が1か月以内もの
②速効性と緩効性の両方の性質を持ち、優しく長く効かせるもの
③緩効性の性質メインでゆっくり長く効果のあるものがございます。

肥料を効かせることを前提に栽培する場合は、ガツンと短期間のみ効かせるよりも、生育期間内は少量でも継続的に効かせ続けることが大切になり、
植物の成長モードの継続につながります。

◎樹勢の強い樹木類にはガツンと効かせる化成肥料が相性が良いです。

窒素過多により、うどん粉病等の発生リスクが上がるため注意が必要です。



◎上の写真の肥料は窒素10:リン酸10:カリ10:マグネシウム3,他ミネラル分の含まれた肥料で、速効性&緩効性あり、施肥後4割程が速効で溶けだし、残りの部分は3ヶ月かけて長く効き続けてくれます。

優しくも長く効き、幼苗から大苗まで幅広く使用できるため、重宝しています。

Ⓑぼかし肥料・有機肥料

化成肥料ほどの強さのものはありませんが、
即効性があり1か月ほどの短い肥効のものから、ゆっくり優しく長く半年以上の肥効があるものまであります。

肥料自体がアルカリ性なため、土壌内のphが酸性に傾きすぎるのを防止し、有用微生物の働きにより土をふかふか維持にしやすいメリットもあります。

素材が発酵させたものや動物質由来なものなため、ツンと独特な香りがあり、コバエの発生のリスクもあります。

肥料成分に物足りなさを感じた場合は、量を多くするとそれに比例した効果になります。
例:5:5:5のぼかし肥料を通常の2倍量施肥すると、10:10:10の効果と同等になります。


◎コーデックス類や山野草類、幼苗などにお勧めです。



◎上の写真は、窒素5:リン酸5:カリ5ベースの有機ぼかし肥料 

速効性があり、1か月ほどの肥効があり、化成肥料とはまた異なる効き方があり、根張りも良く、重宝しています。

ユニークグリーンではドルステニア・ギガスやコーデックス類、3号苗などの幼苗に使用しています。



◎上の写真は、窒素7:リン酸2:カリ2:マグネシウム2ベースの有機肥料です。

半年以上長く効き続ける肥料で、ユニークグリーンでは元肥として使用しています。


②液体肥料について

ほぼ共通して速効性があり、希釈倍率によって、使い分けられるメリットがあります。

化成と有機のタイプがあり、化成のタイプは肥効が1週間以内のものが多いです。

希釈倍率を通常の2倍ほどに薄めて使用した場合、毎回の水やりで使用することも可能です。【幼苗時の栽培管理時にお勧め】

株のボリュームに応じてや、生育の刺激として、希釈倍率を水やり時に手軽に変化させられることも液体肥料のメリットです。

◎幼苗や播種直後の実生苗などにお勧めで、固形肥料と比較してムラができにくく、短期間で大きな苗に成長させることができます。
小さな苗より葉の枚数が増え大きくなった苗の方が環境変化等抵抗力も上がります。



◎お勧めの液体肥料

肥料成分と活力成分が一緒に入った液体肥料です。

手間はかかりますが、管理する苗数が少ない場合は一つ一つ丁寧に、
データを残しながら管理しやすいメリットがあります。

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