亀甲ウチワサボテン 亀甲団扇 Opuntia zebrina f. reticulata

和名
亀甲団扇
学名
Opuntia zebrina f. reticulata
別名
オプンティア・ゼブリナ
英名
Cobra cactus
分類階級【目科属】
ナデシコ目サボテン科ウチワサボテン(オプンティア)属
原生地
ヨーロッパで改良された品種 【原種はアメリカ・フロリダ州原生】
樹高
鉢植えの場合30cm前後

鉢栽培の場合、パッド1枚あたりは10㎝前後
樹勢
◎遅い

生育期にゆっくりと少しずつ増えていく
耐寒性
◎普通

気温5℃以上で容易に越冬可能です。
※暖地では無加温ビニールハウスで越冬可能

グリシンベタインを含む資材の使用で、寒さへの抵抗力をあげることが
当農場でも毎年確認されているため、定期的な葉面散布をお勧めします。
耐暑性
◎強い
※真夏も問題なく良く育ちます。
日照要求量
◎とても多い
一年を通して強い日光を必要とします。

※室内で栽培していた株を急に直射日光の環境で管理すると、焼ける場合があります。
屋外管理に切り替える場合は、半日陰から日向にゆっくりと2週間位目安に慣らしながら管理してください。
栽培難易度
◎やや容易
直射日光の当たる5℃以上の環境が確保できれば、容易です。

春から秋は屋外やベランダでの管理推奨です。
水の要求量
◎少ない

真夏時期は比較的良く水を吸います。
希少性
◎普通
備考
当農場ではカキコで生産しております。
横倒しの株から個性的な形の株もございます。

特徴

亀甲ウチワサボテン【Opuntia zebrina f. reticulata】は、アメリカ・フロリダ州のキーズに自生するOpuntia zebrinaを
ヨーロッパで改良された品種になります。

亀の甲羅やヘビのうろこ模様を連想させる特徴的な姿をしており、reticulataは細い網状の意味があります。

小型な可愛い植物で、小さな鉢植えで室内向けの植物ではあります。

直射日光の当たる環境でないと、新しいパッドが徒長し、網目模様も出にくくなるため
日当たりを意識した栽培をする必要があります。

気温の高い時期は、簡単にカキコで増やすことができます。

日陰の環境(2万ルクス前後)で2日~3日乾かしたあとに
そのまま挿し木の土または、
赤玉土小粒40%+ヤシガラ(繊維状)30%+バーミキュライト20%+パーライト10%を混ぜた用土
で3週間から1か月ほどで発根します。

まっすぐ挿して増やす以外に、横倒しや形を絞って発根させ、増やす方法もあります。

栽培情報

①用土配合について

原種が日本と比較してやや降水量の少ない地域(年間降水量950mm程度)に自生しているため、
生育時期を雨ざらしの環境で屋外管理する場合、しっかり水はけを確保する用土にする必要があります。

カキコをたくさんとり、ボリュームのある株に育てたい場合は
堆肥質の弱酸性~中性の用土(ph6~6.5で良成長)をお勧めします。

赤玉土小粒6割+腐葉土or植物性堆肥4割をベースに、パーライト・くん炭を1割ほど混ぜたもので栽培可能です。

市販のサボテンの土でも栽培可能です。
※株のボリュームを増やしたい場合は、3割ほどバーク堆肥またはヤシガラを混ぜるのをお勧めします。

②水やりについて

最低気温が5℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長します。
年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※乾かしと水やりのメリハリが大切です。

③水やりの目安の頻度
☆12月~2月:2週間~1カ月に1回 
※日当たりを確保し、室内管理最低温度5℃~10℃、日中温度15℃程度の場合の目安

※鉢に対しての株のボリュームで異なります。

この時期は用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。
◎冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。

特に霜がおりる恐れのある厳寒期は、用土が湿った状態だと良くないため、
天気予報を常に確認しながら、ベランダ栽培等の場合
雨や寒い日が近い日には水を与えないようにします。

連日続く雨の場合は、軒下などに取り込むのをお勧めします。

※暖かいお部屋で管理する場合は、新芽も展開し生育するため、
水やりの頻度を上記より多めにし、用土が乾いたらたっぷりと与えます。

室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため、必ず直射日光の当たる環境で管理する必要があります。

☆6月~9月:小さな鉢植えの場合3日~5日に1回、大きな鉢植えの場合:1週間に1回
 
◎暑さの続く時期は、迷ったら水やりをする形で問題ありません。

盆栽風に小さく育てている場合、表面が乾くとすぐに全体的にも乾きやすくなります。

☆3月~5月、10月・11月:1週間~2週間に1回

用土の表面全体が乾いて2、3日後を目安に与えます。

樹勢に応じて、調整する必要があり,寒い際は与える必要がなく、
この時期も迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。

③植え替え・肥料について

鉢内に根が回った際に、1回り前後サイズに鉢増しを行います。
※目安:現在3号鉢の場合、3.5号鉢~4号鉢植えサイズを目安に鉢増しを行います。

植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。

株元の位置も前の鉢植えと同じにします。

追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。

固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
亀甲ウチワサボテンには、優しい【窒素5-リン酸5-カリ5】などの有機肥料・ぼかし肥料がお勧めです。

成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。

発生リスクのある病害虫&対策

亀甲ウチワサボテンは花き類・観葉植物に適用のある農薬が使用可能になります。

住宅街などやベランダ栽培などでは無農薬栽培も可能です。

発生リスクのある害虫:
カイガラムシ・カタツムリ・ナメクジ類の発生リスクがあります。

堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。
※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。

お勧めの殺虫剤:
ダントツ水溶剤、ベニカxファインスプレー、オルトランDX粒剤

※カイガラムシ対策には早期発見、予防が大事です。
古い歯ブラシでこすり落としながら、散布をします。
※ナメクジ類対策としてはスラゴの使用がお勧めで、酢酸を200倍程に薄めて葉面散布した場合も忌避効果があります。

水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。

ベニカxファインスプレ-など、殺菌、殺虫効果のある複数の種類の成分が含まれたものを持っていると
発生時や予防に希釈の手間を省けて瞬時に使用できるため、便利です。

地植えする際の注意点

◎屋外では沖縄県
ビニールハウスでは設備を整えた場合

地植えの適期:4月中旬~5月下旬

厳寒期は株元にウッドチップや堆肥を敷き詰め、保温効果を高めてあげると株に優しいです。

また寒風が吹き付ける際は、不織布で株を覆ったり、ビニールカバーなどをかぶせてあげると
さらに株への負担が軽減され安心です。

植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、
株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。

その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として10リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。

植え付け後は、基本的に水やりをする必要がありません。
※ビニールハウス管理時は様子を見て夏時期に行う

生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。
※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。