- 和名
- コモンマロー
- 学名
- Malva sylvestris
- 別名
- ウスベニアオイ
- 英名
- Commmon mallow
- 分類階級【目科属】
- アオイ目アオイ科ゼニアオイ属
- 原生地
- 南ヨーロッパ、トルコ、北アフリカ
- 樹高
- 最終的な平均草丈:100cm~120cm
2m位になる株もあります。 - 樹勢
- ◎強い
右肩上がりに良く成長します。 - 耐寒性
- ◎とても強い
マイナス15℃程度でも大丈夫です。
暖地の浜松では余裕を感じ、冬でも緩やかに成長しています。 - 耐暑性
- ◎とても強い
鉢栽培の場合、水切れに注意が必要です。 - 日照要求量
- ◎非常に多い
一年を通して直射日光の当たる環境で栽培します。
- 栽培難易度
- ◎容易
初めて栽培をされる方にもお勧めです。
- 水の要求量
- ◎普通
早春から成長し、水やりも定期的にしっかり行います。
直射日光の当たる環境で栽培し、草丈も高くなる夏時期は特に水切れに注意が必要です。 - 希少性
- ◎普通
通販では多く流通しています。
ハーブとしても人気 - 備考
- ◎当農場では爬虫類が食べられる植物苗として生産しています。
特徴
コモンマローは可愛らしいお花を咲かせ、ハーブとしてやお庭の植物、観賞目的としても人気な丈夫で育てやすい植物になります。
お花にお湯をかけると水色になり、レモンをかけるとピンクになり、ハーブティーとしても人気で理科の実験でも扱われたりします。
当農場では爬虫類が食べられる植物のバリエーションの一つとして苗を毎年生産しており、葉・花を与えることができます。
早い子だと春の種まきから3カ月ほどで開花し、特に高温時期の成長力は旺盛です。
平均して120cm程の草丈になりますが、プランターや大鉢、地植えの株は2mに達する株もあり、爬虫類が食べられる植物としての生産効率も良いです。
夏の葉の収穫量は圧倒的な樹勢なハイビスカス・ローゼルに劣りますが、耐寒性が強く、翌年も大きな株のままで越冬し、早春から収穫できる点で差別化要素があります。
多年草ではありますが、寿命が短く(3年から5年位)、種子を採取したり挿し木で増やしたり、定期的な更新をお勧めいたします。
ハイビスカス・ローゼルは開花し、結実モードに入ると一気に株の樹勢が落ちますが、コモンマローは少し開花を楽しみながらでも比較して株の体力消耗は少ないように感じ、是非大切なリクガメちゃんたちにお花と葉っぱを与えてみてください。
葉をメインに収穫したい場合は開花でエネルギーを使うため、蕾をつけている時点での除去をお勧めします。
栽培情報
①用土配合について
多くの時期を雨ざらしの環境で屋外管理する場合、しっかり水はけを確保する用土にする必要があり、堆肥質の水持ち・肥料持ちの良い弱酸性から中性の用土で良く育ちます。
赤玉土6割+腐葉土or植物性堆肥4割をベースに、パーライト・くん炭を1割ほど混ぜたもので栽培可能です。
バーク堆肥やヤシガラ資材を使用することで、用土のphを中性に近づけつつ
肥料持ちをあげ、用土内の気層も確保し、しっかりと根を張らせ生育を促進してくれます。
※当農場では用土内にヤシガラを使用しています。
市販の水はけの確保されたバラの土や観葉植物の土でも代用可能ですが、
ph6~6.5前後の用土で最も成長の成績が良いため、
商品説明をみて、ph5前半の場合はくん炭やゼオライトなどの資材を使用し
中性に傾くよう調整するのをお勧めします。
②水やりについて
最低気温が5℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長します。
年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※特に生育期は注意が必要で一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、たっぷり与える分には問題ありません。
③水やりの目安の頻度
☆12月~2月:1週間に1回
※冬時期は、栽培される環境がそれぞれの方で大きく異なる場合が多いため、水やり頻度は変わっていきます。
ペットがいるエアコンの効いた暖かい環境などでは、冬時期も用土も乾きやすくなります。
用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。
◎冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。
降雨などについては、天気に任せて問題ございません。
※暖かいビニールハウスなどで管理する場合は、新芽も展開し生育するため、
上記よりも頻度多めで、用土が乾いたらたっぷりと与えます。
室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため、必ず直射日光の当たる環境で屋外で管理する必要があります。
☆6月~9月:毎日1回 株に対して小さな鉢で乾くようなら1日2回与えても大丈夫です。
◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。
気温が25℃以上の晴れた日は、用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。
☆3月~5月、10月・11月:3日に1回
※鉢が小さい場合は頻度多めに行う必要があります。
用土の表面全体が乾いて1日後を目安に与えます。
樹勢に応じて、調整する必要があり
寒い際は与える必要がなく、この時期も迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。
③植え替え・肥料について
鉢内に根が回った際に、2回り前後サイズに鉢増しを行います。
※目安:現在3号鉢の場合、5号鉢植え前後またはプランターなどに鉢増しを行います
植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。
株元の位置も前の鉢植えと同じにします。
追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。
固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
緩やかな成長時の春・秋はぼかし肥料や有機肥料、旺盛な成長時期の夏場は化成肥料など強めのものなど
使い分けての使用もお勧めです。
成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。
発生リスクのある病害虫&対策
コモンマローは農薬を不使用での管理だとヨトウムシの発生を確認しております。
特に自然豊かな当農場では、夏時期は草刈りを行い、ぽつんとコモンマローの鉢苗があるエリアでは食害がおきます。
地植えをし、草生栽培をしている環境では発生しておりません。
ヨトウムシ対策には、翌日収穫が可能なゼンターリがお勧めです。
鱗翅目に対しての効果が強いです。
アブラムシやハダニ、コナジラミ対策として有機栽培にも使用でき
脂肪酸グリセリドを主成分にした資材【サンクリスタル乳剤等】がお勧めです。
※特に草食傾向のある爬虫類のご飯にする場合
物理的に害虫に対して気門封鎖を行うため、耐性を持たず
直接害虫に対して洗い流すように散布する必要があります。
堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。
※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。
お勧めの殺虫剤:ゼンターリ顆粒水和剤(ヨトウムシ対策に有効)
お勧めの殺菌剤:特に心配はありません。
水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。
地植えする際の注意点
地植えの適期:3月中旬~5月
⇒植え付け時は、しばらく成長できる余裕を持った時期をお勧めします。
成株はマイナス15℃以上の耐寒性があります。
厳寒期は株元にウッドチップや堆肥を敷き詰め、保温効果を高めてあげると株に優しいです。
また寒風が吹き付ける際は、不織布で株を覆ったり、ビニールカバーなどをかぶせてあげると
さらに株への負担が軽減され安心です。
植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、
株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。
その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として10リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。
植え付け後は、酷暑が続く場合以外は水やりをする必要がありません。
生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。
※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。
秋に地植えする場合は、長期間肥効のある肥料散布の必要はありません。
例:生育期に株のボリュームに応じてIB肥料、ぼかし肥料などがお勧めです。
ミネラル補給も効果的です【特にマグネシウム、カルシウムは不足しがちです】