ハイビスカス・ローゼル Hibiscus sabdariffa 爬虫類の食事バリエーションとしてお勧め

和名
ハイビスカス・ローゼル
学名
Hibiscus sabdariffa
別名
Red Sorrel
英名
Roselle
分類階級【目科属】
アオイ目アオイ科フヨウ属    ※霜がおりる地域では1年草扱い 本来は寿命の短い多年草
原生地
熱帯アフリカ 様々な亜熱帯・熱帯地域で生産されています。
樹高
最終的な草丈:2m~3m 幅2m程
樹勢
◎非常に強い
※本州以北では5月下旬から9月上旬
栽培温度が低いとほとんど成長しませんが、気温が25℃以上になると急成長します。
耐寒性
◎弱い
※最低気温5℃を下回ると、成長を止めてきます。

春時期も成長はゆっくりです。
耐暑性
◎とても強い
猛暑日でも元気で、鉢栽培の場合水切れ注意です。
※真夏でも直射日光の当たる環境で栽培すると良く育ちます。
日照要求量
◎非常に多い

一年を通して直射日光の当たる環境で栽培します。
直射日光の当たらない室内、日陰のベランダでは、徒長します。
栽培難易度
◎容易
水の要求量
◎多い
寒い時期、幼苗時は水を吸いませんが、夏時期は非常に良く水を吸います。
希少性
◎普及種
初夏頃から良く出回ります。
備考
◎当農場で生産のハイビスカス・ローゼルは、爬虫類が食べられる植物として生産しています。
基本的に農薬を不使用にし、使用する場合も翌日収穫可能なものや有機栽培に使われるものを採用しています。

※ハイビスカス・ローゼル等カメ食植物は隔離栽培をしていますが、同農場内の他植物に対して農薬を使用しており、有機栽培ではありません。

5月中下旬から10月上旬頃まで販売しております。

特徴

ハイビスカス・ローゼルは、亜熱帯地域のアオイ科植物で、日本国内で主には赤いがく部分を加工してティーやジャムにして利用されています。

原産地では葉を収穫される野菜として流通しています。

非常に生育旺盛な植物で、気温が25℃以上は毎日2cm以上成長し、高温期や株のボリュームが増えていくにつれ、成長はさらに右肩上がりになっていきます。
5月下旬に小さな3号苗を地植えした場合でも、8月~9月には2m以上に成長します。

当農場ではリクガメ、トゲオアガマ、フトアゴヒゲトカゲ、イグアナ等草食傾向のある爬虫類の餌としてのバリエーションとして生産しております。

多くの草食傾向のある爬虫類に対して嗜好性が高く、生産効率が非常に良いため、特に真夏の食事バリエーションとしてはお勧めです!

葉っぱは上記写真のように丸みを帯びたもの、ギザギザなものがあり、花色もピンク、白、うすい黄色など様々で、
爬虫類たちは全体的にどれも嗜好性が高いですが、より好みのタイプがあるようです。

短日性の植物で、日が短くなるのを感じ始める9月頃から花芽をつけ、開花し蕾をつけ、11月下旬から12月上旬には中身の種子も熟してきます。

沖縄では通年屋外栽培管理が可能ですが、本州以北では暖地でも12月中旬頃には枯れてしまうため、一年草扱いをされています。

生産効率を考えると、12月頃に種子を採取し、翌年5月頃にまく形をお勧めします。
※種子を乾燥させ、冷蔵庫に保存すれば、鮮度が保てて、翌年良く発芽します。

花芽をつけた株は生殖成長に傾き、成長を止め葉も増えにくくなるため、
種子を採る目的がなく、葉っぱをメインに収穫した場合は、花芽を除去してあげるのをお勧めします。

花を爬虫類に与えることもできます。

栽培情報

①用土配合について

日本と比較して降水量の多い地域に自生しているため、多くの時期を雨ざらしの環境で屋外管理する場合、
堆肥質の水持ち・肥料持ちの良い弱酸性から中性の用土で良く育ちます。

※水が植物な植物でも水はけの確保は必要で、サバ土など単体での使用はお勧めできません。
3割ほどバーク堆肥を混ぜることで、水はけを良くし、気層の確保もしつつ、肥料持ちの向上にもなります。

極端な酸性、アルカリ性に傾かない用土であれば、基本的に様々な培養土で良く育ちます。

赤玉土6割+腐葉土or植物性堆肥4割を混ぜたもので栽培可能です。

バーク堆肥やヤシガラ資材を使用することで、用土のphを中性に近づけつつ
肥料持ちをあげ、用土内の気層も確保し、しっかりと根を張らせ生育を促進してくれます。

市販の水はけの確保されたバラの土や観葉植物の土、野菜の土でも代用可能です。

②水やりについて

平均気温が15℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長します。

年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※特に生育期は注意が必要で一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、
たっぷり与える分には問題ありません。

③水やりの目安の頻度

☆12月~2月:1週間に1回
※ハイビスカス・ローゼルは、本州以北では一年草扱いされるため
加温または10℃以上の環境で栽培した場合になります。

用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。

◎冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。

※暖かいビニールハウスなどで管理する場合は、新芽も展開し生育するため、
上記よりも頻度多めで、用土が乾いたらたっぷりと与えます。

室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため、必ず直射日光の当たる環境で管理する必要があります。

☆6月~9月:毎日1回 株に対して小さな鉢植えの場合、1日2回与えても大丈夫です。
◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。

気温が25℃以上の晴れた日は、用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。

☆3月~5月、10月・11月:3日~5日に1回

※鉢が小さい場合は頻度多めに行う必要があります。
用土の表面全体が乾いて1日後を目安に与えます。

樹勢に応じて、調整する必要があり、寒い際は与える必要がなく、この時期も迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。

③植え替え・肥料について

鉢内に根が回った際に、2回り前後サイズに鉢増しを行います。

※目安:現在3号鉢の場合、5号鉢または6号鉢植えに鉢増しを行います
地植え、プランター栽培も可能です。

植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。

株元の位置も前の鉢植えと同じにします。

追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。

固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
ハイビスカス・ローゼルは樹勢が強いため、化成肥料など強めのものがお勧めです。

成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。

発生リスクのある病害虫&対策

ハイビスカス・ローゼルは野菜類に適用のある農薬が使用可能になります。

アブラムシ、コナジラミの発生リスクがあります。

☆アブラムシやハダニ、コナジラミ対策として有機栽培にも使用でき
脂肪酸グリセリドを主成分にした資材【サンクリスタル乳剤等】がお勧めです。
※特に草食傾向のある爬虫類のご飯にする場合

上記の資材は、物理的に害虫に対して気門封鎖を行うため、耐性を持たず回数制限もありません。
直接害虫に対して洗い流すように散布する必要があります。

堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中にコガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。

※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。

お勧めの殺虫剤:
サンクリスタル乳剤 ※アブラムシ、ハダニ、コナジラミ対策

お勧めの殺菌剤:特に心配なし

水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。

地植えする際の注意点

地植えの適期:5月中旬~6月下旬
⇒植え付け時は、しばらく成長できる余裕を持った時期をお勧めします。

本州以北では、1年草として栽培されます。
※屋外栽培では、暖地でも12月中旬頃には枯れていきます。

厳寒期は株元にウッドチップや堆肥を敷き詰め、保温効果を高めてあげると株に優しいです。

また寒風が吹き付ける際は、不織布で株を覆ったり、ビニールカバーなどをかぶせてあげると
さらに株への負担が軽減され安心です。

植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。

その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として10リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。

植え付け後は、酷暑が続く場合以外は水やりをする必要がありません。
※夏時期に植えた場合は、植え付けすぐに雨が降らない場合、定期的な水やりが必要になります。

生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。

※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。

例:ローゼルは、暑い時期は良く成長するため、IB肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。

ミネラル補給も効果的です【特にマグネシウム、カルシウムは不足しがちです】