桑 はやてさかり 養蚕・お茶用の桑 草食傾向のある爬虫類にお勧め

和名
桑 はやてさかり
学名
Morus alba ※由来とされています。
別名
マルベリー, ソウ(桑)
英名
mulberry tree
分類階級【目科属】
バラ目クワ科クワ属 Rosales Moraceae Morus
原生地
改良品種
樹高
伸ばしし切りにした場合、10m前後に成長します。

葉を収穫する目的で、効率をあげるために背丈前後の高さで管理するのをお勧めします。

剪定を行い、枝数を増やした方が葉っぱの数が増えやすくなります。

樹勢
◎非常に強い

5月以降から非常に良く伸びてきます!

冬は落葉します。
耐寒性
◎強い 【東北南部の低標高の地域まで】

※暖地向けの桑ですが、比較的冷涼地でも栽培可能です。
寒冷地での栽培だと枝枯れやパフォーマンスが落ちます。

一般的なヤマグワと比較したら弱い方ですが、
カラヤマグワ系としては強い方です。

耐寒性の強さを求めるなら実生の野生ヤマグワや、
ヤマグワ系の改良された桑での栽培がお勧めです。
耐暑性
◎強い

※夏場は良く水を吸うため、鉢植え栽培の場合は水切れに注意が必要です。

基本的には桑は水が好きです。
日照要求量
◎非常に多い

基本的に一年を通して遮光されていない直射日光の当たる環境で栽培する必要があり
屋外管理での栽培をお勧めいたします。
栽培難易度
◎とても容易

樹勢が強く、鉢栽培なら夏場の水切れ
地植え・鉢植え栽培共にカミキリムシの幼虫の食害に気を付ければ容易です。
水の要求量
◎多い

樹勢が強いため、生育期は特に水の要求量が多くなります。

鉢植え栽培の場合、生育が旺盛な初夏から初秋までの期間は毎日水やりをして問題ありません。
希少性
◎桑苗の流通としては珍しい

はやてさかりは、桑茶にも利用される品質の高い品種です。
備考
☆品種桑について

品種桑は主にヤマグワ系・カラヤマグワ系・ログワ系の3種類に分類され、
"はやてさかり"はカラヤマグワ系に分類されます。

※蚕の餌としても古くから利用される"一ノ瀬"や、
観賞目的の"枝垂れ桑"もカラヤマグワ系に分類されます。

ユニークグリーン生産のクロミグワ、シロミグワ、桑みなみさかりの栽培につきましても
桑はやてさかり同様で問題ありません。

特徴

桑・はやてさかりは良質でおおきめな葉っぱが収穫でき、桑茶としても利用される
とても優秀な改良品種です。

暖地向け栽培に適したカラヤマグワ系の品種としては耐寒性が強いのが特長で
鹿児島県から東北南部の標高の低い地域まで
パフォーマンスが高い状態で生育可能です。

耐病性も強めで、一ノ瀬などの品種と比較して縮葉病などに強いです。

雄性の桑で雄花を咲かせますが、実をつけずに葉の収穫に特化した品種で
栄養成長を意識させた管理で問題ありません。

上記の性質や特長を考慮して、草食傾向のあるカメやトカゲの食べる植物としてお勧めです。

◎リクガメの嗜好性・栄養価について

カルシウムの含有量が多く、ビタミン・ミネラルのバランスも良く
主食としても是非取り入れていただきたい種類です。

嗜好性には差がありますが、
リクガメ全般やイグアナ・トゲオアガマ・チャクワラ等の草食傾向のあるトカゲなど全体的に好む子が多く、
特にアルダブラゾウガメは嗜好性が高い子が多いです。

パンケーキリクガメはあまり好まない傾向があります。

栽培情報

①用土配合について
鉢植えの栽培の場合、
水を好むため、水はけを確保しつつも
水持ちの良い用土との相性が良いです。

また成長も促進させることをは配慮し
堆肥質の水持ち・肥料持ちの良い
弱酸性から中性の用土をお勧めします。


赤玉土6割+腐葉土or植物性堆肥4割をベースに混ぜたもので栽培可能です。

市販の水はけの確保されたバラの土や観葉植物の土でも代用可能です。


②水やりについて

年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。

※特に生育期は注意が必要で
一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、
たっぷり与える分には問題ありません。

③水やりの目安の頻度
※基本的に桑は一年を通して、屋外管理で栽培するのをお勧めします。

☆12月~2月:1週間に1回

用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。

◎冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。

☆6月~9月:毎日1回 盆栽仕立てなど株に対して小さな鉢植えの場合、1日2回与えても大丈夫です。

◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。

気温が25℃以上の晴れた日は
用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。

※夏場は少量の雨や午前中にあがるような際は、午後から用土が乾く場合もあるため
注意が必要です。

この時期は表面が乾くとすぐに用土が乾きます。

☆3月~5月、10月・11月:3日に1回

用土の表面全体が乾いて1日後を目安に与えます。

樹勢に応じて、調整する必要があり
寒い際は与える必要がなく、この時期も
迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。

③植え替え・肥料について

鉢内に根が回った際に、2回り前後サイズに鉢増しを行います。

※目安:現在7号鉢の場合、9号鉢または10号鉢植えに鉢増しを行います

植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。

株元の位置も前の鉢植えと同じにします。

追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。

固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
はやてさかりは樹勢が強いため、化成肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。

しかし、窒素過多になるとうどんこ病など病気のリスクが上がりやすくなります。

成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、
肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。

発生リスクのある病害虫&対策

はやてさかりは樹木類と桑に適用のある農薬が使用可能になります。
桑に適用のある農薬は養蚕でも使用できる種類になります。

中々難しいですが、動物や昆虫の餌に使用する場合は極力農薬を控えるのをお勧めします。

比較的病害虫には強いですが、葉っぱはヨトウムシ類・稀にコガネムシの成虫による食害があり
萎縮病のリスクがあります。

桑はカミキリムシの幼虫が入ることがあり、芯まで到達してしまうと
どんなに立派なたいぼくでも枯死してしまいますので、木屑が出た際に
キンチョールEなどピンポイントにスプレーできる資材があると便利です。

堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。

※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。


お勧めの殺虫剤:スミチオンやモスピラン(コガネムシやカミキリムシなど大きめな害虫対策)、
ゼンターリ顆粒水和剤(ヨトウムシ対策に有効)
ダイアジノンSLゾル(土壌潅水するとコガネムシ幼虫に有効)

お勧めの殺菌剤:トリフミン(治療目的)、ペンコゼブ水和剤(予防目的)、
トップジンM水和剤やベンレート水和剤(治療&予防目的)

水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。

ベニカxファインスプレー(樹木類に適用あり)など、
殺菌、殺虫効果のある複数の種類の成分が含まれたものがあると
発生時や予防に便利です(^^)

地植えする際の注意点

◎地植えの適期:12月中旬~2月下旬
【東北南部あたりまで、真冬の瞬間的な最低気温がマイナス10℃程度までの地域】
※耐寒性落葉樹なため、落葉後の根を動かす場合は
休眠期の冬時期での植栽が適期です。

根鉢を崩さずに、極力土を残したまま植栽する場合は通年可能です。

基本的に50㎝前後に育った、4号苗以上の株(6号苗以上のサイズが理想)で行います。

耐寒性が強いため、暖地で地植えする場合は特に心配する必要はありません。
(株の周りに堆肥や腐葉土などをマルチングしてあげると株に優しいです)


植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、
株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。


その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として10リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。


植え付け後は、酷暑が続く場合以外は水やりをする必要がありません。


生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。

※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。


例:IB肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。


人間と同じくミネラル分も健康な生育には欠かせないため、ミネラル資材を使用するのも
非常にお勧めです。