フィカス・ペティオラリス【実生苗】Ficus petiolaris

和名
フィカス・ペティオラリス
学名
Ficus petiolaris
別名
通称:赤ウンベラータ
英名
petiolate fig 、rock fig
分類階級【目科属】
バラ目クワ科イチジク属
原生地
メキシコ(オアハカ・ソノラ南部・バハカリフォルニア州)
樹高
野生化の最終的なサイズでは6m~8m

鉢植えでコンパクトに栽培可能です。
海外では盆栽のような形でも栽培されています。

小さくコンパクトに栽培すると
赤い葉脈のコントラストも相まって可愛さが引き立ちます!
樹勢
成長は比較的ゆっくりですが、
4号鉢植え苗以上のサイズになってくると
徐々に成長が右肩上がりになってきます。
耐寒性
耐寒性はガジュマルやパキラと同じ位になります。

最低気温3℃以上の環境では越冬できます。

ビニール温室などで管理した場合(冬場でも日中20℃前後になるような環境)、
葉っぱを展開する場合がございます。

芽を展開する際は、比較的水を吸うため、
他のコーデックスのように冬はからからにする必要はなく、
環境に応じて水やりを行う必要があります。

人間が生活できる室内では無加温栽培も可能です。
耐暑性
◎とても強いです。

日本国内の栽培環境では特に問題ありません。

近年の40℃を超える環境(静岡県浜松市)でも傷みなく夏を過ごしています。
日照要求量
◎非常に多い

一年を通して遮光のされない、直射日光の当たる環境で栽培する必要があります。

日照量が不足すると、葉脈の赤いラインが消える場合があります。
栽培難易度
◎比較的容易 直射日光の当たる環境が用意できれば、観葉植物の中でも栽培は容易で、綺麗に育てることが可能です。
水の要求量
季節によりますが、夏は水を良く吸い、気温の高い時期は雨ざらしの環境で問題ありません。乾燥に強いですが、成長してくるとコーデックスの仲間としては比較的用土が乾きやすい方です。
希少性
少しレア✨ 実生苗で大きく育った株の希少価値はとても高いです。 近年実生苗の流通数も増え始めています。

特徴

ハート型の葉っぱに赤い葉脈、株元がぷっくりと膨らむコーデックスで
とても可愛らしい植物になります。

当圃場で生産するフィカス系のコーデックスの中では、一番人気の種類で
直射日光の当たる環境がご用意できれば、栽培も比較的容易です。

アデニウムのような冬場に水の管理ミスによる、株がぶよぶよになるような症状もほぼなく
フィカス・パルメリに次ぐ、入門的なコーデックスと考えています。

ユニークグリーン生産の苗は、全て種を発芽させてから栽培する実生苗になります。

株元の膨らみは一株一株個性があり、年数が経つと、表面がはがれていき
味が出てきます。

栽培情報

①用土配合について

日本と比較して半分ほどの降水量の少ない地域に自生しているため、
多くの時期を雨ざらしの環境で屋外管理する場合、
しっかり水はけを確保する用土で育てる必要があります。

しかし成長も促進させることをは配慮し
堆肥質の水持ち・肥料持ちの良い
弱酸性から中性の用土をお勧めします。

軽石や砂などの割合が多くなりすぎると、肥料持ちが劣るため成長がやや遅くなります。

型破りになりますが、ユニークグリーンでは完熟菌床堆肥を使用した用土ベースで栽培しています。

赤玉土6割+腐葉土or植物性堆肥4割をベースに、パーライト・くん炭を1割
川砂を2割ほど混ぜたもので栽培可能です。

市販の水はけの確保されたバラの土や観葉植物の土に
半分量程の割合の多肉・サボテンの用土を混ぜたものでも代用が可能です。

乾かし気味に管理することができれば、気層と水はけの確保された、
通気性の良い用土なら特に神経質になる必要はありません。

②水やりについて

最低気温が10℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長します。
※最低4℃、最高20℃前後の環境でも新芽を展開させ、ゆっくり成長しています。

年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※特に生育期は注意が必要で
一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、
たっぷり与える分には問題ありません。

③水やりの目安の頻度

☆12月~2月:1週間に1回

用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。
※冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。

芽が展開しない温度帯の冬時期は成長が止まりますので、比較的乾燥を好むことを意識し
この時期の水やりは控えめにしてください。

特に霜がおりる恐れのある厳寒期には屋外に出さず、

本格的な冬が始まる直前まで屋外管理をしている場合は
雨や寒い日が近い日には水を与えないようにします。

連日続く雨の場合は、水やりを直前にしていた場合は軒下などに取り込むのをお勧めします。

※暖かいお部屋で管理する場合は、新芽も展開し生育するため、用土が乾いたらたっぷりと与えます。

室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため
必ず直射日光の当たる環境で管理する必要があります。


☆6月~9月:毎日1回 盆栽仕立てなど株に対して小さな鉢植えの場合、1日2回与えても大丈夫です。

◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。

気温が25℃以上の晴れた日は
用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。

ペティオラリスは真夏に水切れが起こると、葉っぱがちりちりになり落葉しやすいため、注意が必要です。

☆3月~5月、10月・11月:3日~5日に1回

用土の表面全体が乾いて1日後を目安に与えます。

塊根仕立てや盆栽鉢植えはやや水やりの頻度を増やした方が良いです。

樹勢に応じて、調整する必要があり
気温の低い3月上旬や11月は迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。

③植え替え・肥料について

根鉢を崩さないで鉢増しをする場合は
厳寒期の屋外管理以外ではいつでも可能です。

※株とのバランスがあるため、鉢内に根が回った際に、1回り前後サイズに鉢増しを行います。


植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。

株元の位置も前の鉢植えと同じにします。


根を大きく動かす場合や、
同じ鉢植え内で根をほぐしながら用土替えをする場合は
真夏・真冬を避けていただくのをお勧めします。
※この場合の植え替え後1週間は用土が湿っていても毎日1度お水やりを行ってください。


追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。

固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
有機肥料やぼかし肥料、化成肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】などが使用可能です。

成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、
肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。

発生リスクのある病害虫&対策

フィカス・ペティオラリスは樹木類に適用のある農薬が使用可能になります。【静岡県病害虫防除所様に確認済み】




病害虫に強く、無農薬でも栽培可能です。

堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。

※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。


お勧めの殺虫剤:スミチオンやモスピラン(コガネムシやカミキリムシなど大きめな害虫対策)、
ゼンターリ顆粒水和剤(ヨトウムシ対策に有効)
ダイアジノンSLゾル(土壌潅水するとコガネムシ幼虫に有効)

お勧めの殺菌剤:トリフミン(治療目的)、ペンコゼブ水和剤(予防目的)、
トップジンM水和剤やベンレート水和剤(治療&予防目的)

水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。

ベニカxファインスプレー(樹木類に適用あり)など、
殺菌、殺虫効果のある複数の種類の成分が含まれたものがあると
発生時や予防に便利です(^^)

地植えする際の注意点

日本国内の九州以北の地域で、屋外での地植えは困難です。

暖地(静岡県、愛知県で確認)では、無加温のビニールハウス内では地植えも可能です。
なるべく早めに大きく育てたい方は、ビニールハウス内でシンボルとして植栽しても浪漫があります。

コーデックス類としては低温には強い方ですが、霜にあたる環境の場合枯死してしまいます。

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