- 和名
- ユーカリ・ルビダ(キャンドルバークガム)
- 学名
- Eucalyptus rubida
- 別名
- キャンドルバークガム、ホワイトガム、リボンガム
- 英名
- Candlebark gum
- 分類階級【目科属】
- フトモモ目フトモモ科ユーカリ属
- 原生地
- 【オーストラリア南東部】 ニューサウスウェールズ州南部の高原地帯、主にビクトリア州のグレートディバイディング山脈の北側、タスマニア東部の高原
- 樹高
- 野生下で20m~30m(大きな株で40mに達するものもある)
※リグノチューバーを形成します。 - 樹勢
- ◎とても強い
一年を通して成長します。 - 耐寒性
- ◎非常に強い
成木でマイナス15℃程を耐えます。
地植えをした実生数年の株でも、瞬間的にマイナス13℃でも余裕を感じています。 - 耐暑性
- ◎強い
寒さにとても強いユーカリでありますが、暑さにも強いです。
最高気温40℃を超える静岡県浜松市でも、葉の傷みもほとんどなく生育しています。 - 日照要求量
- ◎非常に多い
ユーカリ全般に言えますが、屋外やベランダで常に直射日光の当たる遮光されていない環境で育てる必要があります。
室内栽培は継続して直射日光の当たる環境を確保しずらく、風もないため、栽培に向きません。 - 栽培難易度
- ◎比較的育てやすい
- 水の要求量
- ◎多い
樹勢が強く、気温の高い5月から10月は良く水を吸います。 - 希少性
- ◎珍しい
※園芸店産やネットショップでの販売も少なめです。
- 備考
- リグノチューバーを形成しやすいです。
特徴
ユーカリ・ルビダは、白銀色から赤紫色を帯びた白、青緑色と様々な表情の葉っぱを楽しませてくれるユーカリです。
種小名のrubidaは赤がかったの意味があり、葉っぱが寒さに当たったり、ドライにすると赤紫色になる傾向があります。
【枝もやや赤みを帯びています】
キャンドルバークガムの別名があり、ロウソクが溶けたような白基調の樹皮の剝がれ具合に由来します。
性質強健で暑さ・寒さに強く、日本国内の多くの地域で栽培可能な種類です。
同じ丸葉系の人気種のユーカリ・グニーと比較して、葉っぱは大きめ、暑さに強く、水は良く吸うものの、水切れに耐えてくれます。
ユーカリ・グニーも同様ですが、ユーカリ・ルビダは株が成長すると徐々に葉が矢尻状に細長くなる傾向にあります。
若木や剪定後の新芽や丸みを帯びていて、とても美しく、実物をご覧になると気に入ってくれることの多い種類です。
葉には何かのお菓子のような甘い芳香があり、多くのミント系のユーカリとは異なり、個性を感じさせてくれます。
リグノチューバー仕立ても塊根植物のような外見になり、とても可愛らしいです。
※リグノチューバーとは株元にコブのようなもので、山火事などで木の大部分が枯れて際に
一斉にひこばえのように芽が出る器官です。
通常木が生い茂っているときは、リグノチューバーから芽が出ることはありません。
栽培情報
①用土配合について
日本と比較してやや降水量の少ない地域に自生しているため、
多くの時期を雨ざらしの環境で屋外管理する場合、
しっかり水はけを確保する用土にする必要があり、
堆肥質の水持ち・肥料持ちの良い弱酸性から中性の用土で良く育ちます。
赤玉土6割+腐葉土or植物性堆肥4割をベースに、パーライト・くん炭を1割ほど混ぜたもので
栽培可能です。
バーク堆肥やヤシガラを使用し、堆肥質の用土にするとphが中性に近づく傾向にあります。
市販の水はけの確保されたバラの土や観葉植物の土でも代用可能です。
キャンドルバークガムは樹勢が強いため、上記の用土配合では雨ざらしの管理で問題なく、
生育期は良く水を吸います。
②水やりについて
最低気温が5℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長します。
※暖地では冬時期も緩やかに成長します。
年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※特に生育期は注意が必要で一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、
たっぷり与える分には問題ありません。
③水やりの目安の頻度
☆12月~2月:1週間に1回
用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。
◎冬時期の水やりは、迷ったら翌日以降に行うようにします。
屋外管理の場合、特に霜がおりる恐れのある厳寒期は、用土が湿った状態だと良くないため、
天気予報を常に確認しながら、雨や寒い日が近い日には水を与えないようにします。
連日続く雨の場合で水やりが心配な場合、軒下などに取り込むのをお勧めします。
※暖かいビニールハウスなどで管理する場合は、新芽も展開し生育するため、
上記よりも頻度多めで、用土が乾いたらたっぷりと与えます。
室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため、必ず直射日光の当たる環境で屋外で管理する必要があります。
☆6月~9月:毎日1回 盆栽仕立てなど株に対して小さな鉢植えの場合、1日2回与えても大丈夫です。
◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。
気温が25℃以上の晴れた日は、用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。
☆3月~5月、10月・11月:3日~5日に1回
※鉢が小さい場合は頻度多めに行う必要があります。
用土の表面全体が乾いて1日後を目安に与えます。
樹勢に応じて、調整する必要があり
寒い際は与える必要がなく、この時期も迷ったら与えず、翌日以降にすることをお勧めします。
③植え替え・肥料について
鉢内に根が回った際に、2回り前後サイズに鉢増しを行います。
※目安:現在7号鉢の場合、9号鉢または10号鉢植えに鉢増しを行います
植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。
株元の位置も前の鉢植えと同じにします。
追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。
固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
キャンドルバークガムは樹勢が強いため、化成肥料など強めのものがお勧めです。
※キャンドルバークガムは、リン酸過多による障害は受けにくいです。
成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。
発生リスクのある病害虫&対策
ユーカリ・ルビダは、樹木類に適用のある農薬が使用可能になります。
比較的病害虫には強いです。
堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。
※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。
お勧めの殺虫剤:スミチオンやモスピラン(コガネムシやカミキリムシなど大きめな害虫対策)、
ゼンターリ顆粒水和剤(ヨトウムシ対策に有効)
ダイアジノンSLゾル(土壌潅水するとコガネムシ幼虫に有効)
お勧めの殺菌剤:トリフミン(治療目的)、ペンコゼブ水和剤(予防目的)、
トップジンM水和剤やベンレート水和剤(治療&予防目的)
水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。
またベニカxファインスプレー(樹木類に適用あり)など、
殺菌、殺虫効果のある複数の種類の成分が含まれたものを持っていると
発生時や予防に希釈の手間を省けて瞬時に使用できるため、便利です。
地植えする際の注意点
◎地植えの適期:4月中旬~6月下旬
※【瞬間的な最低気温マイナス13℃程までの地域】
⇒植え付け時は、しばらく成長できる余裕を持った時期をお勧めします。
成木はマイナス15℃までの耐寒性があります。
厳寒期は株元にウッドチップや堆肥を敷き詰め、保温効果を高めてあげると株に優しいです。
また寒風が吹き付ける際は、不織布で株を覆ったり、ビニールカバーなどをかぶせてあげるとさらに株への負担が軽減され安心です。
植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。
その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として10リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。
植え付け後は、基本的に酷暑が続く場合以外は水やりをする必要がありませんが、
雨が降らない場合は、1か月くらいを目安に毎週に一度たっぷりバケツでお水を与えてください。
生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。
※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。
例:IB肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。
秋に地植えする場合は、長期間肥効のある肥料散布の必要はありません。
ミネラル補給も効果的です【特にマグネシウム、カルシウムは不足しがちです】