イタリアンタンポポ(チコリーの改良品種)

和名
学名
Cichorium intybus
別名
キクニガナ
英名
Italian dandelion
分類階級【目科属】
キク目キク科キクニガナ属 寿命の短い多年草
原生地
チコリーの改良品種       ※ユニークグリーンでは、グリーン・ボールドレッドの2品種を生産しています。
樹高
鉢やプランターサイズに応じて変化します。

生長すると、葉っぱの長さは30㎝~40㎝に成長します。

プランターや大きな鉢栽培の場合、花茎は2m近く伸ばすことがあります。
樹勢
◎強い
※生育期は良く水を吸います。
耐寒性
◎比較的強い
※軽い霜には耐え、暖地では冬でも葉を収穫できます。
耐暑性
◎普通
※真夏の直射日光の当たる環境は苦手で、成長を停止する場合があります。

日照要求量
◎多い

※真夏日になるような日は、半日陰で管理する。
目安:梅雨明けから9月頃まで
栽培難易度
◎容易
初心者向けの植物です。
水の要求量
◎水を好む
表面が乾いたらたっぷりとあげる

※生育時期は、迷ったら水やりをする形で問題ありません。
希少性
◎普通
※園芸店さんや市場等ではあまり流通しませんが、種子の入手は容易です。
備考
ユニークグリーンでは、草食傾向のある爬虫類が食べられる植物として生産しております。

特徴

イタリアンタンポポは、葉っぱの見た目がタンポポに似ていることからつけられていますが、
チコリーの改良品種になり、タンポポとは異なる色合いと形の紫色のお花を咲かせます。

当農場では、グリーンとボールドレッドの2品種を生産しています。

主に草食傾向のある爬虫類(リクガメやイグアナ、トゲオアガマ等)の餌のバリエーションにもなります。
※嗜好性は比較的高めです。

両種を比較して、若干グリーンの方が丈夫で育てやすいです。
嗜好性はボールドレッドの方が高めです。

耐寒性は比較的強く、暖地では冬時期でも葉を収穫できます。

ベランダ栽培などで寒風や真夏の強い日差しを避けることができれば、安定的な栽培が可能です。

種子の発芽率も高く、早春にまいた場合も数か月で開花するボリュームに成長します。

花を咲かせる専用の茎【花茎】は微毛が生え、葉に比べ硬く太めになります。

花茎を伸ばし、花を咲かせると葉の成長が停止するため、
葉を効率的に収穫したい場合は、花茎を除去をお勧めします。

藤色の花は房咲きで旺盛に咲かせ、楽しませてくれます。

年数の経った株は、葉のとれた部分が木質化し、個性的な姿も楽しませてくれ、観賞価値も高いです。

栽培情報

①用土配合について

水を好む植物で、生育期は右肩上がりに成長し、水も吸うため
しっかり水はけを確保しつつ、水持ちの良い用土で良く育ちます。
※水はけを確保するのは、根の成長には空気の層(気層)が必要なため

また成長も促進させるために肥料持ちを配慮し、バーク堆肥やヤシガラなどの使用をお勧めします。

極端に酸性やアルカリ性の用土以外では良く育ちます。

赤玉土6割+腐葉土orバーク堆肥4割をベースにで栽培可能です。

市販の水はけの確保された野菜の土や観葉植物の土でも代用可能です。


②水やりについて

最低気温が5℃を超え、日中暖かくなる時期からゆっくり成長を始めます。

年間通して、一度の水やりは鉢底からたっぷりこぼれだすほど与える必要があります。
※特に生育期は注意が必要で
一度に水を与える量が少ない場合は支障が出ますが、
たっぷり与える分には問題ありません。

③水やりの目安の頻度
☆12月~2月:3日から5日に1回

用土の表面が白く乾いた場合も、軽く掘り用土が湿っていたら与える必要はありません。
◎暖地では冬でもゆっくり成長し、風が強い地域では想像以上に用土が乾きます。

冬時期も雨ざらし管理で問題ありません。

※暖かいお部屋で管理する場合は、新芽も展開し生育するため、
上記の頻度よりも多めに、用土が乾いたらたっぷりと与えます。

室内管理の場合は日照不足の状態になりやすいため
必ず直射日光の当たる環境で管理する必要があります。


☆5月~10月:毎日1回 株に対して小さな鉢植えの場合、1日2回与えても大丈夫です。

◎暑さの続く時期は迷ったら、水やりをする形で問題ありません。

気温が25℃以上の晴れた日は
用土の表面が乾くと、すぐに全体的にも乾きやすくなります。

前日夜から朝にかけて雨が降っていても、日中晴れた際は
夕方には乾く場合があるため、注意が必要です。

道路に水たまりができないような降雨では、足りない場合もあるため
水やりの判断が迷う際は、与えてください。


☆3月・4月・10月・11月:毎日1回または、天気により2,3日に1回

イタリアンタンポポは春から良く成長するため、この時期も
水を良く吸うため、気温が高く良く晴れている日は
毎日又は2日に1度のペースで、頻度高めにあたえて問題ありません。


③植え替え・肥料について

鉢内に根が回った際に、2回り前後サイズの植木鉢、またはプランターに鉢増しを行います。

※目安:現時点で3号鉢の場合、5号鉢前後の植木鉢またはプランターに鉢増しを行います
植え替え時は根鉢を崩さず、そのままの形で用土をたしていきます。

株元の位置も前の鉢植えと同じにします。

追肥は根が安定する、植え替え後2週間を目安に行います。

固形肥料、液体肥料など全ての肥料を与えることが可能で、
イタリアンタンポポは肥料も良く吸い相性も良いため、化成肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。

成長しない時期は肥料を吸収できず、マイナスに働くため、肥料の効く期間を考慮し、生育期のみ与えます。

発生リスクのある病害虫&対策

イタリアンタンポポは、住宅街では無農薬でも栽培は可能です。

☆アブラムシやハダニ、コナジラミ対策として有機栽培にも使用でき、安全性の高い
脂肪酸グリセリドを主成分にした資材【サンクリスタル乳剤等】がお勧めです。
※特に草食傾向のある爬虫類のご飯にする場合

上記の資材は、物理的に害虫に対して気門封鎖を行うため、耐性を持たず
使用回数の制限もありません。

直接害虫に対して洗い流すように散布する必要があります。

他の資材との混用すると、薬害が発生する場合が往々にして起こりえます。

また粘着くんなど、でんぷん主成分の資材も有効です。

比較的病害虫には強いですが、葉っぱはヨトウムシ類・アブラムシによる食害があります。

堆肥や腐葉土の腐植質の用土を使用する際は、用土の中に
コガネムシやネキリムシなど幼虫の発生のリスクは常にあります。

※農薬使用の場合は、商品パッケージに記載の用法用量は従ってください。


お勧めの殺虫剤:
サンクリスタル乳剤(アブラムシやハダニ、コナジラミ、うどんこ病対策)

ゼンターリ顆粒水和剤(ヨトウムシ対策に有効)
※こちらも安全性が高く、有機栽培にも使用でき、使用回数制限がありません。


お勧めの殺菌剤:特に必要ありません

水やりを行う際に葉水をしてあげると、水が苦手なハダニやうどんこ病の予防にもなります。

脂肪酸グリセリドを主成分にしたスプレータイプのものを用意しておくと、とっさの害虫発生時に便利です。

地植えする際の注意点

地植えの適期:3月中旬~5月

厳寒期は株元にウッドチップや堆肥を敷き詰め、保温効果を高めてあげると株に優しいです。

また寒風が吹き付ける際は、不織布で株を覆ったり、ビニールカバーなどをかぶせてあげると
さらに株への負担が軽減され安心です。


植え付け時は地面と株元の位置は同じくらいに行い、
株を囲むように周りに土を盛り、株に水が溜まりやすいようにします。


その後たっぷりと水やりを行います。(理想は2回に分けて行う)
※目安として5リットルの水を2回 2回目は10分から15分後に行います。


植え付け後は、酷暑が続く場合以外は水やりをする必要がありません。


生育期は定期的な追肥をすることで、良い成長をします。

※追肥は植え付け2週間程経ってから、しっかり根が安定してから行う必要があります。
用法用量は商品説明に従ってください。

秋に地植えする場合は、長期間肥効のある肥料散布の必要はありません。

例:IB肥料【窒素10-リン酸10-カリ10】など比較的強めのものがお勧めです。

ミネラル分も健康な生育には欠かせないため、ミネラル資材を使用するのもお勧めです。
特にカルシウム、マグネシウムは与えるとより健康的に育ちます。